昨年10月19日に広島県印刷工業組合主催“印刷産業夢メッセ2007”に参加させて頂いた際に広島にてご活躍中のデザイナー5名によるディスカッションの内容をご紹介させて頂きます。
《デジタル化になってのメリット・デメリット》
メリット …デジタルになって印刷の質が良くなった。写真の時間の短縮(アナログ時代は約5日かかっていたのが今は1日で出来る) カラー出力時点で仕上がりに近い色が出てくるのでお客様からの同意が得られやすい。
デメリット…製作のソフトの部分よりも直しの作業のほうが時間が取られる。若者がデザイナーとして成長が難しい。 デザイナーの仕事がデザインに取り掛かった時から手が離れるまでずっと継続してしまう。 デジタル化によってデザイナーのクオリティーが下がってきている。
《デザイナーと印刷会社の立場の違い》
・印刷の仕上がりにはこだわりたい!!デザイナーはプロセスがあり思い入れが強いので印刷会社にも頑張って刷ってもらいたい。なるだけ完全データでやっていきたい。
・捨てられない印刷物を目指している!!お客様にも捨てられない印刷物を目指しましょうって勧めているんですよ。その気持ちを印刷会社の営業マンと共有していきい。
・信頼できる印刷会社さんの営業の方と仕事をしてしまう。その人のカラーが印刷会社の顔になっているなと…。デザイナーX印刷会社両社のノウハウをコラボレーションすることによってよりクオリティーの高い印刷物が仕上がってくるんですよ。
《印刷とプリンターに違いってなに??》
・何で印刷がいいの?プリンターとどう違うの?お客さんに説明していかなければならない。お金を出してでも買いたいって思える印刷物を作っていきたい。アナログ(活版他)には文化的な分厚さがありますよね!有名ブランドのカタログは断裁面にも色が付いていて人間が手でやっているとしか思えない物もあって、そんな所をいまだに職人・デザイナーにやろうとする気持ちにシビレます!!!
《印刷会社とデザイナーの関係》
・印刷会社に求めるのは安心感!価格面だけで印刷会社を決めないで許容出来る範囲でしたら安心・信頼を求める。
《印刷と紙についてなにか》
・やっぱり捨てられないってのはテーマです!!紙の差って大きいんですよ。人間ってアナログなんですよ。手に取った時の紙の質感とかやっぱりあります。
・デザインの付加価値を付ける為に紙の力もインクの力も借りる。
《最後にひとこと》
・安い紙を使っても印刷会社やデザイナーの想像力とかアイデアで個性のある印刷物を作れば良い物が出来ると思う。可能性はたくさんあるのに最近なにかに囚われてしまっているような気がする。紙はとても大事なパーソン。
・情報を伝達するという事だけを考えるとインターネットには勝てない。手に持って触りながら見る、文字から目に入ってくる情報以外に紙から伝わる質感・風合い・インクの匂い・重さ・画面から伝えられないものを伝える、企業のメッセージ性をのせる。WEBとは違う伝達方法として色々な表現方法が新しく見つかったらいいなと思います。
・私にとって紙は大切! 加工ノウハウなどをアドバイスしてくれて一緒に考えていってくれてコストダウンなりを提案してくれる印刷会社さんやっていきたいし、そういう生き残り方もあるんじゃないですか!
・紙屋さんにこういう印刷にはこの紙が合うよとか教えて欲しいんですよ。価格が叩かれる時代だけどお客様にこの商品にはこの紙が映えるとか説明すればわかってくれるんですよ。
・我々も地方のデザイナーとしてなんとか全国区でハイクオリティーなものをデザインしていこうという意識でここにいるメンバーはやっています。心の通える人が本当に寄り添ってくれる。会社じゃなく結局個人の人間性なんです!!
NISHIZAKIと致しましてもデザイナーさんの思いを汲み取って日々成長し印刷産業の発展に微力ながらも協力させていただければと思っております。印刷物における紙の力・可能性を再認識させてもらいました。